太極拳を行う際、頭のてっぺんを少し押し上げるように意識する。
頭のてっぺんとは百会と言われているツボの所である。
正確な位置は人により若干違いがあるかもしれないが目の中間と左右の耳の交差点に位置する。若干後頭部よりなのかもしれない。
「あご」を軽くひいて「うなじ」をゆるめ少し伸ばすようにすると百会のツボは上方に移動する。
太極拳で重要な基本「虚領頂勁(きょれいちょうけい)」の要求する所である。
百会のツボはその名が表しているように多くの経絡が交わっている。
ここを調整することにより多くの経絡が刺激され、気の流れが良好になり太極拳で重要な運気(全身に気を巡らせること)をスムーズに行うことができる。
百会のツボは「三陽五会」という別名がありさらに「DU20」という番号のような表記もされている。
「DU20」という東洋医学的表記ではない表し方は世界保健機関(WHO)が1989年に361か所のツボの名称を統一し、国際番号をつけて国際的に認められてきているものである。
経絡やツボは血管や臓器のように解剖して取り出すことはおそらく難しいだろう。しかし確実に存在するものである。
目で見えないものを自分の体の中で感じ取り体系化していく太極拳。奥深さがここにあるのかもしれない。